子どもたちのエピソード(10月)

 昨年度の春、4歳児クラスでザリガニの飼育が始まりました。珍しい色のザリガニは『ザリー』と名前が付き、様々な昆虫と共に大切に育てていました。そして今年度の4月、多くの子ども達が目に触れるエントランスの飼育コーナーに引っ越してきてくれました。

 泣きながら登園した子は、ザリガニを眺めることで気持ちを切り替える切っ掛けとなり、園に遊びに来る未就園児は金魚やカメに興味津々で足を止める微笑ましい姿が見られ、子ども達にとって生き物は、好奇心を育むかけがえのない存在だと改めて感じさせてくれました。

 しかし、9月末に『ザリー』は動かなくなりました。死を受け止めた5歳児は命について考える大切な機会となりました。また3.4歳児も「どうして死んじゃったの?」「死んだらどうなるの?」という言葉が聞かれ、未就園児の子ども達も「エビは?」と、(ザリガニですが・・)多くの子ども達が関心を寄せていたことを知りました。

 ザリガニの死をそれぞれの年齢なりに受け止めた経験で生き物に興味が芽生えた子もいたと思います。そして「どうして?」と感じ考えたことは、もっと知りたいという深い学びに向かう力になっていると感じます。

10月末、園庭のゾウの滑り台に粒々が・・。よく観るとカタツムリの赤ちゃんが沢山ついていました。また新たな命が巡って来てくれたことを嬉しく思います。子ども達の『もっと知りたい!』と思う学びの芽が深いものになるよう、様々な環境や出会い、発見を大切に心を育んでいきたいと思います。

                                               令和6年10月 園長

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